日本基督教団 永山教会(2001)
設計概要



ニュータウンにカナンの地を

 東京の西部、京王線永山駅から10分ほど、多摩ニュータウンの一角に建設された木造平屋建ての小さな教会である。今から遡ること27年前に当教会は創立されたが、建物を建てるに至らず、以来「ゆりのき保育園」を利用して教会建設を夢見て今日まで来た。そしてようやく土地を購入し建設の運びとなった。教会の建物は、多摩ニュータウン通りの北側に位置する。

 敷地南東から長い距離を歩き、パーゴラから降り注ぐ光に導かれ、教会玄関にアプローチする。このパーゴラの通路は、俗と聖、喧噪と静寂を分かつ信徒達のキリストと出会う小道である。

エントランスを入ると正面に中庭と木の十字架を臨む。極小面積の教会堂であるが、エントランスに中庭を挿貫することで空間に視覚的な広がりを持たせている。エントランスホールからは中庭を右手に見て、礼拝堂に入る。礼拝堂は平面9m×9mの正方形、高さ7mの唐松の集成材構造からなるシンプルなプロテスタント教会らしい空間である。

平面の対角線方向に最長の軸線を取り、南東の角に朝陽を受ける聖壇を設け、ここから放射状に会衆席を配置した。屋根は対角線上に集成材の大梁を渡し、後部会衆席から聖壇にかけて天井高を高くし、最前部の梁下に木と鉄を組み合わせた十字架を吊すことで聖壇部分の存在をを強調した。さらにこの大梁に直行した形でシンプルに小梁を掛け渡した。壁面上部には斜めに流れる屋根までハイサイドライトを取り、礼拝堂内は朝の光の舞う静かな祈りの空間を構成している。

家具は礼拝堂空間の重要な要素となるため、礼拝堂と同じ正方形をモチーフとし、その空間構造を模した。また、夜間は街の道行く人に明かりを灯すような教会を計画した。